競馬では、出走する馬の実力と人気が噛み合っていない事を「オッズの歪み」と呼びます。

競馬ファンの中にはオッズの歪みに注目して馬券を買う人も意外と多くいます。

しかし、競馬初心者の人からすると「オッズの歪み」が何を指すのか、どう予想に反映させれば良いのかわかりませんよね。

今回は、競馬のオッズの歪みが出来る理由と活用方法を分かりやすくまとめてみました。

競馬のオッズの歪みは2種類存在する

競馬のオッズの歪みは大きく分けると「実力と人気が噛み合っていない」「馬券の種類によって不自然な損得が発生する」の2つになります。

実力と人気が噛み合っていない時に生じるオッズの歪みは、実力から考えると上位勢と遜色がないのに人気が薄い馬の事を指します。

一方、馬券の種類によっ不自然なて損得が発生するオッズの歪みは、理論的な的中確率と払戻オッズのバランスがおかしくなっている事を指します。

実力と人気が噛み合っていない馬が出てくる理由

実力と人気が噛み合っていない馬によるオッズの歪みが最も見かける事の多いオッズの歪みです。

本来なら上位人気でもおかしくない実力のある馬がなぜか5番人気以下になっているレースが多々あります。

このオッズの歪みが起きる理由は競馬のシステムが影響していると言われています。

競馬の払戻オッズは、締切時間までリアルタイムで簡単に確認する事が出来ます。

払戻オッズは固定ではなく「投票率」で変動するといった特徴があります。

馬券を買う人は全員競馬のプロではありません。競馬初心者の人等、オッズだけを見て馬券を購入する人の方が多いかもしれません。

馬の血統や過去のレース成績といった情報を使わずに予想をする人は「1番人気だから」という単純な理由で1番人気の馬を購入します。

すると本来は1番人気と2番人気の実力に差があまりなくても1番人気というだけでドンドン票が集まっていきます。

その結果、1番人気の馬は実力以上に馬券が売れてしまいオッズが低くなり、2番人気以下の馬は実力があるのに馬券が売れなかった事でオッズが高くなります。

これが実力と人気が噛み合っていないオッズの歪みの原因です。

的中率と払戻オッズのバランスでオッズの歪みが生まれる

各馬券には理論的な的中確率があります。

18頭立てレースであれば単勝は「1/18」、複勝は「1/6」です。

確率だけ見れば、複勝より的中させるのが3倍難しい単勝のオッズは複勝の3倍が適正になります。

しかし、競馬では単勝オッズが複勝オッズの3倍になっていないレースも意外と多くあります。

馬券的中時の払戻オッズではなく、期待値で計算すると単勝を買うより複勝を買った方がお得になる事も珍しくありません。

  • 単勝と複勝
  • 馬連と馬単
  • 3連複と3連単

で起こる可能性のあるオッズの歪みです。

単勝オッズは複勝の3倍、馬連は馬単の2倍というように、各組み合わせの理論的な的中率と払戻オッズを比較して「割に合わない」と感じた場合は、馬券購入を見送ったり購入する馬券の種類を考え直した方が良いでしょう。

活用出来るのは「実力と人気が噛み合っていない」オッズの歪み

オッズの歪みを活用する際は「実力と人気が噛み合っていない」方のオッズの歪みを利用します。

周りの人が弱いと勘違いしている本当は強い馬を探す事になりますが、オッズの歪みの具体的な探し方はありません。

各レースの情報を集めてオッズをこまめに確認するしかしかありません。

集めた情報や出走表を見て大まかな予想をした後にオッズを見ると「人気がある理由が分からない馬」や「上位勢と遜色ない実力があるのにオッズが低い馬」が見付かる時があります。

残念ながら、その感覚が正しかったのか間違っていたのかはレース結果が出るまで分かりません。

自分の感覚や予想の精度を向上させる事が重要になります。

競馬は馬券を買わずに予想をする事が出来るギャンブルなので、時間のある時にレース結果を知らない過去のレースで予想やオッズの歪みを探す練習をしてみてはいかがでしょうか。

オッズの歪みを見付ける基本的な方法

誰でも出来るオッズの歪みの見付ける基本的な方法として「単勝オッズと複勝オッズの比較」が挙げられます。

上記で解説した通り、単勝馬券は複勝馬券より的中させるのが3倍難しくなっています。

その特徴を活かして単勝と複勝のオッズを比較していきます。

単勝オッズが複勝オッズより3倍以上高くなっている時は「オッズの歪みが発生している」可能性が高いという事になります。

逆に、単勝オッズが複勝オッズの3倍以下になっている時は「実力以上に馬券が買われている」可能性が高くなります。

実力以上に馬券が買われている馬は1着になる確率が下がるのでそのレース自体を見送った方が安全です。

オッズの歪みが発生しているかどうかの判断は人によって異なります。

単勝オッズと複勝オッズがどれだけ離れていればオッズの歪みと判断するのか徐々に決めていきましょう。

オッズの歪みが発生しやすいレースと発生しにくいレース

具体的な探し方がないオッズの歪みですが、発生しやすいと言われているレースがいくつか存在しています。

その1つがG1等の大きなレースです。特に競馬番組や新聞といったメディアで1頭のみにスポットライトが当てられているレースはオッズの歪みが発生しやすくなっています。

大きなレースになればなるほど遊びで馬券を購入する人が増えます。遊びで馬券を買う人の中には自分で予想をしない人も一定数います。

オッズ人気から適当に選んだりテレビで特集されていたからという理由で馬を買ったりする人が増えると1番人気の馬が実力以上に人気となりオッズの歪みが生じます。

競馬の知識や経験がない人の多くは「1番人気の馬が1番強い」というイメージを持っている事も原因の1つです。

オッズの歪みを探す場合は、当日のメインレースは忘れずにチェックしましょう。

一方、新馬戦や未勝利戦といったレースはオッズの歪みが発生しにくいと言われています。

どちらのレースもメディアで取り上げられる機会がほとんどなく、遊びで馬券を購入する人が少ないからです。

新馬戦や未勝利戦は、競馬歴が長い人や競馬で勝っている人が多くしっかりと各馬の実力を比較しています。

その結果、オッズの歪みは発生する事はなく、しっかりと実力順に人気となってしまいます。

新馬戦や未勝利戦といった玄人好みのレースは、メインレースでオッズの歪みが発生しなかった時の保険程度に考えておいた方が無難です。

まとめ

競馬のオッズの歪みは大まかに分けると2種類あります。

競馬の予想に活用しやすいのは「実力と人気が噛み合っていない時に生じるオッズの歪み」です。

しかし、オッズの歪みは見付けようと思って見付けられる物ではない偶然発生する現象でもあります。

オッズの歪みを見逃す事なく見付けられるようになりたいという人は、各レースのオッズを細かく確認したり単勝と複勝のオッズを比較したりといった努力が必要となります。

偶然オッズの歪みを見付けた場合は、思い切って勝負してみても良いかもしれませんね。