競艇・ボートレースのレース予想をする時に重要となるのが「モーター」です。
同じ規格で製造されているモーターですがそれぞれ少しずつ性能が異なり、勝率の高いモーターはエースモーターや超抜モーターと呼ばれています。
今回は競艇のモーターの善し悪しの見極め方を簡単にまとめてみました。
競艇で使用されているモーターの基本的なスペック
競艇・ボートレースで使用されているモーターは、ヤマハ発動機のガソリンエンジンです。
水冷式縦型直列2気筒2サイクルで排気量は396.9ccとなっています。
一昔前までは標準型と減音型の2種類がありましたが、現在では全国24場全てのレース場で減音型のモーターが使用されています。
標準型と比べると減音型はパワーが少し弱いと言われています。
モーターは1年ごとに入れ替えが行われる
レースで使用されているモーターは各レース場で1年ごとに入れ替えが行われています。
入れ替え時期はレース場によって異なっていますが、必ず1年に1回モーターの入れ替えをします。
モーターの入れ替えと同時に出走表に記載されている「モーター成績」もリセットされています。
また、モーターと同様にボートも1年ごとに入れ替えが行われています。
モーターとボートと同時に入れ替えるレース場もあれば、モーターとボートの入れ替え時期がバラバラのレース場もあります。
ちなみに古くなってレースで使用しなくなったモーターは、各レース場の練習用モーターとして再利用されています。
モーターに差が出る原因は製造時の僅かなズレや消耗具合?
同じスペックで製造されているモーターに差が出る理由として「製造時の僅かなズレ」と「使用時の消耗」の2つが挙げられます。
同じ製造機で作られたモーターでも数ミリや数ミクロといった少しの違いが出てきます。この少しの違いで伸びやターンのしやすさが変わってくると言われています。
また、実際にレースでの使用が始まった後も調整方法や運転方法によって消耗の度合いが変わってきます。
特に燃焼効率はモーターを使えば使う程、ドンドン良いモーターと悪いモーターの差が出てきます。
部品交換と転覆も影響が出る
部品交換の有無もモーターの個体差が出る原因の1つです。
実際に、前日まで調子の悪かったモーターなのに部品交換をしただけで調子が上向き成績が上がる事も珍しくありません。
しかし、部品交換は必ずモーターの調子が上向く事はなく、逆に調子が悪くなるケースも多々あります。
部品交換の有無は直前情報等で知る事が出来るので忘れずチェックする癖をつけておきましょう。
また、転覆によりモーターに水がかかるとパワーが大幅にダウンするとも言われているので前節や前走等に転覆をしたモーターには気を付けてください。
モーターの善し悪しは連対率と展示タイムで見極める
見た目が全く同じのモーターの善し悪しを見極めるには「連対率」と「展示タイム」を比較する事が大切となります。
競艇で勝つためには、良いモーターと悪いモーターをしっかりと見極める事が必須です。
モーターの見極めは初心者の人でも意外と簡単に出来るのでしっかりと覚える事をオススメします。
出走表の連対率
各レースの出走表には選手の成績・情報だけではなくモーターの成績も記載されています。
ほとんどの出走表は上から「モーターNo」「2連対率」「3連対率」となっています。
モーターNoは絶対に覚えておいた方が良いという物ではありませんが、同じレース場の違う大会で舟券を買う時に「前見た時に良さそうだったな」と予想に役立てられるので良かったモーターだけは覚えておいても良いかもしれません。
2連対率と3連対率はそれぞれ2着と3着に入った確率を指しています。
連対率の数字が高い程、良いモーターであり2連対率が「40%」3連対率が「50%」を超えるモーターは超抜モーターと言われます。
超抜モーターは、A1級のトップクラスの選手が使用するとレースで不利なアウトコースからでも容易に3着以内に入れるようになります。
2連対率が35%前後のモーターを普通や平均と考える人が多くなっています。
一方、2連対率が30%以下のモーターは「悪い」と判断されます。
トップクラスの選手が使用してようやく勝負になるレベルでB1級の選手になるとインコースからでも1着を取る事が難しくなるモーターも珍しくありません。
特に2連対率が25%等、極端に成績の悪いモーターは部品交換やプロペラ調整をしても調子が上向かない事の方が多くなります。
※モーターの入れ替えが行われるとモーター成績がリセットされるので、入れ替えから数節はモーター成績を参考にする事が出来ません。
良いモーターでもB級の選手が使用すると本来の力を発揮出来なかったり、悪いモーターでもA級の選手が使用するとそれなりの成績を残すからです。
展示タイムとオリジナル展示データで見極める
レースの直前に行われる展示航走が終わった後に発表される「展示タイム」と「オリジナル展示データ」もモーターの良し悪しの見極めの活用出来ます。
展示タイムは2周目のバックストレートの150mのタイムで早ければ「ターン後の伸びが良い」という事になります。
オリジナル展示データはレース場によって測定している距離が異なりますが、基本的には「一周タイム」「回り足タイム」「直線タイム」を比較する事が出来ます。
どのタイムも早ければ早い程、モーターの調子が良いと判断して問題ありません。
しかし、展示タイムとオリジナル展示データの比較は調子の良いモーターの見極めではなく「調子の悪いモーターの見極め」に使う事をオススメします。
実際のレースの展示タイム・オリジナル展示データは各選手・モーター間でそこまで大きな差は出ません。他の艇より若干タイムが良いだけで軸にするのは危険です。
全てのタイムが他の艇よりズバ抜けて良い時のみ「モーターの調子が良い」と判断しましょう。
一方、他の艇より明らかに全てのタイムが遅いモーターもあります。モーターを使用しているのがデビューしたばかりのB2選手でない限りそのモーターは調子がかなり悪いという事になります。
調子が悪いモーターはトップクラスの選手が使用しても3着以内に入る事が難しいので軸ではなく紐程度にしておいた方が無難です。
※展示航走は各艇が順番に走ります。1号艇の選手は引き波のない走りやすい状況で走れるので展示タイムや他のタイムが若干他の艇より早くなりやすくなっています。
選手コメントは参考程度に
選手コメントではモーターの感触や今後の調整方針を知る事が出来ます。
選手の素直な感想が記載されていますが、モーターの良し悪しの判断は各選手によって大きく異なります。
モーターの良い点を挙げる選手もいれば、逆に悪い点しか挙げない選手もいます。
選手コメントでモーターの良し悪しを判断するのは難しいので参考程度に留めておきましょう。
まとめ
競艇のモーターは製造時のちょっとしたズレや消耗で個体差が出てきます。
超抜・エースモーターになるとどのコースからでも好成績を残せる可能性が高くなります。
しかし、悪いモーターはインコースからも勝ちにくくなったりとモーターの善し悪しは予想で欠かす事の出来ない要素となっています。
今までモーターの善し悪しを気にした事がないという方は、今回紹介したモーターの見極め方を参考にしてみてはいかがでしょうか。
良いモーターを見極める事が出来るようになれば的中率や回収率がアップするかもしれません。