どんな業界にも必ず1つはあると言われているのが「暗黙のルール」です。
明言されていない、正式な決まりではないルールの事を指しますが、皆さんの職場にもありませんか?
そんな暗黙のルールですが、実は「競馬」にも存在しています。
今回は、実はあまり知られていない競馬業界の暗黙のルールを紹介していきます。
一度決まった隊列は最終コーナーまで崩してはいけない
レース中の暗黙のルールとして最も有名になっているのが、「一度決まった隊列は最終コーナーまで崩してはいけない」ではないでしょうか?
スタートしてからしばらくすると、だいたいの隊列が決まります。
その隊列を無理に崩して進むのはNGだと言われているのです。
特に、先輩が人気馬に騎乗して逃げている時は、二番手以降から競りかけるのはご法度となります。
万が一、競りかけてしまうとレース後に先輩から怒られてしまうそうです。
有名なのは第64回北海道新聞杯クイーンステークス
「そんな暗黙のルール本当にあるの?」って疑う人もいると思います。
当該の暗黙のルールを確認出来るのが「第64北海道新聞杯クイーンステークス」です。
ベテランの横山典弘騎手が先頭を走り、後方の絶好位置に福永祐一騎手がいましたが、福永騎手は被せる事なくレースを終えています。
競馬ファンから見ると、福永騎手が被せに行かないのはかなり不自然に見えたようです。
なので、福永騎手が暗黙のルールを守ったのではないか?という声が上がるようになりました。
無謀に競りかけるのは海外でもよくないと言われている
日本だけの暗黙のルールかと思ったのですが、実は海外の競馬でも隊列を崩して競りかけるのはあまりよくないと言われているようです。
もちろん、勝算があって隊列を崩し勝てる場合は別です。
しかし、勝算もなくただ単に隊列を崩して競りかけてしまうと、海外でも競馬ファンから批判されたり叩かれたりします。
無謀な競りかけは、馬のスタミナを大幅に消耗し負担がかかる。
さらに、最終直線でスタミナが切れてしまいズルズルと下がっていく事になり、他の競走馬の邪魔になります。
一歩間違えると、レースを台無しにする、事故の原因になる事から、良しとされていません。
ただ単に、先輩を勝たせるための暗黙のルールではないようです。
人気の逃げ馬は潰していけない
「人気の逃げ馬を潰してはいけない」というのも競馬界の暗黙のルールとして有名となっています。
レースで逃げ馬が1番人気や2番人気になった場合、レース中に邪魔をするような事はしてはいけないというルールです。
しかし、元々は関東限定のルールだと言われていて、何も知らなかった関西騎手がかなり困惑したという話も耳にします。
さらに、この暗黙のルールは「一部の人気騎手を潰す事を目的」にしているという噂まで流れました。
当該騎手以外が逃げ馬で人気を集めた時は、逃げでの1着になる可能性が高いのに対して、当該騎手が逃げ馬で人気を集めると道中や最終コーナーで潰される事が多かった事が理由として挙げられます。
実際に、当該騎手は逃げ馬で楽に勝ったG1レースがほとんどありません。
一部の騎手潰しの真偽は不明
一部の騎手を潰すためのルールと言われていますが、残念ながら真偽は不明です。
しかし、逃げ馬が人気を集めた時は、無駄な邪魔が入らないと考えておいて良いでしょう。
特に、ベテラン騎手が騎乗する場合は、この暗黙のルールが発動する可能性は高そうです。
ユーザー側の暗黙のルールも存在する
ここまでは、騎手に関する暗黙のルールを紹介してきました。
ですが、競馬ユーザー側にもいくつか暗黙のルールが存在します。
競馬場に行った時に必要となるマナーでもあるので、ぜひここで覚えておきましょう。
カメラのフラッシュはオフにする
競馬場へ行った時に、パドックを優雅に歩く競走馬や迫力のあるレースを写真におさめたいと考える人も多いですよね。
競馬場では、写真撮影は禁止されていませんが「フラッシュはオフにする」といった暗黙のルールが存在します。
デリケートでナイーブな性格の競走馬も多く、自然界にはないカメラのフラッシュに驚いたり、恐怖を感じてしまう馬も少なからずいるからです。
フラッシュによって精神的に不安になってしまうと100%の力を出す事が出来なくなりますよね?
レースに出走する競走馬が同じ条件で走れるように観客もしっかりとマナーを守らなければいけません。
特にレース前の競走馬にフラッシュをたく事は絶対にNGなので、カメラのフラッシュをオフにするのを忘れないようにしましょう。
大声禁止
意外と知らない人も多いのですが、実は競馬場では「大声は禁止」となっています。
大声で応援している人を見かける事もありますが、真似をしないようにしましょう。
大声が禁止されている理由は、カメラのフラッシュとほど同じです。
人間も急に大声が聞こえるとビックリして萎縮してしまったり、自分の意思とは関係なく体が膠着したりしますよね。
競走馬も人間と同じです。
大声に反応して、精神的に不安定になったり、大声に驚いて競走馬が暴れてしまうといったケースも起きています。
過去には、大声が原因で競走馬が暴れてしまい死亡事故が起きた事があったようです。
競走馬のとの距離と近いパドックは特に注意が必要です。
応援している競走馬を近くで見た時に声をかけたくなる気持ちも理解出来ますが、競走馬のためにも大きな声は出さないようにしましょう。
競馬場には持ち込み禁止物がある
競馬場にお出かけをする時に、アレもコレも便利グッズを色々持って行こうとする人も多くいます。
しかし、競馬場では「持ち込み禁止物」が定められているので、何でも持っていけるわけではありません。
JRAが運営する中央競馬では、以下の物を持ち込む事が禁止されています。
・危険物(火器類・ビン・缶類)
・ペット(盲導犬や聴導犬を除く全ての生き物)
・車輪のついた器具・乗り物(車いす・ベビーカーは除く)
・テント・パラソル・大型テーブル
・音が出る器具(楽器・ホイッスル・拡声器など)
・投げる物(ボール・風船など)
主な持ち込み禁止物を羅列しましたが、意外と禁止物が多い事にビックリした人も多いのではないでしょうか?
危険物や音が出る器具は、先程の暗黙のルールと同様に競走馬・騎手・観客を守るために必要なルールとなります。
一方、意外だったと口にする人が多いのが「テント・パラソル・大型テーブル」です。
広々とした競馬場の中でテントやパラソルを設置して、優雅に過ごしながら競馬を楽しみたいと考える人も多くいるようです。
ですが、中央競馬では全て持ち込み禁止となっているので、競馬場が用意した休憩スペースや指定席を利用するようにしてください。
上記は、持ち込み禁止物の一部です。
基本的に他の人の迷惑になる物は全て持ち込みが出来ないと考えてください。
自分では判断が難しいという場合は、事前に競馬場に確認をしましょう。
まとめ
競馬界にも暗黙のルールは存在しています。
騎手同士の暗黙のルールもあれば、ユーザーや観客の中での暗黙のルールもあります。
騎手・レース中に関する暗黙のルールは、知っておく事で予想に役立てる事が出来る場合も珍しくありません。
暗黙のルールなのであまり表に出てくる事はありませんが、気になった方は、競馬の暗黙のルールを調べてみてはいかがでしょうか?