競馬用語の中に「かかる」といった用語があります。
実際のレースでの実況や某人気競馬育成アプリでも度々出てくるワードなので、耳にした事があるという人も多いですよね。
ですが、かかるの「意味」を知っているという人は意外と多くはありません。
そこで今回は、競馬用語の「かかる(かかり)」について解説していきます。
騎手が競走馬を制御出来ていない状態が「かかる」
かかる(かかり)を簡単に説明すると、
「騎手が競走馬を制御出来ていない状態」
の事を指します。
競走馬の中には、気性が荒く騎手の言う事をなかなか聞いてくれない馬も存在します。
レース中に騎手が取りたい行動(作戦)に対して、抵抗している馬がいれば「かかっている」という事になります。
また、競馬の実況の中では、かかる事を「折り合いを欠く」や「折り合いがついていない」といった表現をするケースもあります。
基本的には「かかる=折り合いを欠く」と考えて問題ありません。
騎乗する競走馬をしっかりと手懐けられていない、相性や呼吸が合っていないとかかる可能性が高いという事です。
かかるとレースに悪影響が生じる
かかるがどういった状態の事を指すか理解した後は、「かかった時のレースへの影響」が気になり始めますよね。
先に結論から述べると、レース中にかかると「悪影響」しかありません。
騎手と競走馬の息が合っていないので、良い影響が出るはずはありませんよね。
かかった時に生じる主な影響は以下となります。
スタミナを大幅に消耗する
かかった時に生じる影響として、最も大きいのが「スタミナの消費」です。
騎手の命令に抵抗する・無視をするというのは、かなり体力を消耗します。
騎手は言う事を聞かせようと手綱を思いっきり引く等、様々な方法で競走馬をコントロールしようと試みます。
一方、競走馬は何をされても言う事を聞きたくないので、引っ張られた手綱に抵抗しようと力んだりします。
上記の行動をレース中、走りながら行うと考えれば、どれだけ無駄なスタミナを消費するか簡単に想像出来ますよね。
かかった事でレース中に大幅にスタミナを消費してしまうと、最終直線で末脚を発揮する事が出来ず、馬群にのまれてしまう事になります。
騎手はレース中に作戦を変えなければいけない
多くの騎手は、レース前にある程度レース中の作戦を考えています。
しかし、競走馬がかかった事で言う事を聞かなくなると、予め考えていた作戦を実行する事が出来なくなります。
そうなってしまうと、騎手はかかった状態で出来る最善策をレース中に見つけなければいけません。
他のライバル達の動きを確認しながら、レースに勝つための作戦を練り直すというのは、かなり困難ですよね。
競走馬がかかってしまうというのは、馬だけではなく、騎手にも悪影響が出てきます。
騎手との息が合っているかを確認する
かかるかどうかはレースが始まらないとわかりません。
しかし、レース前に「騎手と競走馬の息が合っているかどうか」を確認する事で、かかる可能性のある程度判断する事が出来ます。
パドックを終えた後の「返し馬(ウォーミングアップ)」の様子を確認して騎手と競走馬の相性を確認しましょう。
スタート地点で落ち着いている
レース前には、騎手の指示に従ってスタート地点まで行き、ストップしなければいけません。
スタート地点の近くまで行った後に、すんなりとストップして落ち着いた状態で待つ事が出来ていれば、素直に騎手の言う事を聞いていると判断する事が出来ます。
返し馬で騎手の言う事をしっかりと聞くという事は、レース中に騎手の作戦に従い100%の力を出せる可能性が高いという事です。
大きく首を振っている馬には注意する
騎手の言う事を聞きたくない、相性が悪い場合は、競走馬が大きく首を振ります。
特に「左右」に首を振るという行為は、馬からの拒絶反応となるので、レース中にかかる可能性が高くなります。
ウォーミングアップ中に、徐々に騎手の言う事を聞き始めるケースもありますが、レース本番直前まで大きく首を左右に振っている馬には注意が必要です。
出走する競走馬に大きな実力差がないレースの場合、かかりが原因で負けてしまう事も考慮しなければいけません。
騎手が手綱をしごいているとやる気なし?
返し馬の際に、騎手が一生懸命手綱をしごいている姿を見た事がある人も多いですよね?
残念ながら、こちらは騎手の気合が入っているわけではありません。
手綱をしごくという行為は、競走馬のやる気を引き出す、レースに集中させるといった効果があると言われています。
要するに、手綱をしごいている騎手が騎乗する馬は、やる気がない等、走る事に消極的だと判断出来ます。
騎手が騎乗しているのにやる気が出ないという事は、騎手と競走馬の相性が悪いという事です。
乗り替わりは初めての騎乗はかかる可能性あり
実力馬・人気馬の過去レースを確認してみると、基本的に同じ騎手が騎乗していますよね。
騎手が同じ競走馬に騎乗するという事は、過去の経験から馬の性格に合わせた作戦を立てられる等、様々なメリットがあります。
また、馬も前と同じ騎手が騎乗する事で安心すると言われています。
過去に騎乗してかからなかった騎手と競走馬のコンビであれば、かかる可能性は低いという事です。
逆に、乗り替わりや初騎乗の場合は、騎手と競走馬の呼吸が合っていないか、しっかりと見極める必要があります。
どれだけ強い馬・上手い騎手でも相性が悪ければレースに勝つ事は出来ません。
乗り替わりや過去に騎乗した事がない騎手が手綱を握るレースは、特に騎手と競走馬の相性に注意してください。
かかると判断した馬はどうすれば良い?
パドックや返し馬を見て「この馬はかかりそうだな」と判断した場合は、馬券から外すのがベターです。
しかし、かかった馬が全て馬群にのまれる、着外になるわけではないというのが「かかり」の面倒な所でもあります。
かかると判断した馬と他の馬の実力・ポテンシャルがあまりにも差がある場合は、馬券に絡めておいた方が無難だと言われています。
当該の競走馬がレース中にかかるか可能性と一緒に、かかってもライバルに勝てるかどうかも一緒に考えると良いでしょう。
かかってしまうと厳しいと感じた場合は馬券から外し、かかっても勝てる可能性があると感じた場合は2着3着には残しておくといった買い方がおすすめです。
かなり難しい判断となりますが、かかった時の影響も加味して予想や馬券購入をするようにしましょう。
迷った時は馬券購入を回避するのもアリ
かかるかどうか、かかった時の影響の判断に迷った時、自信がない時は「馬券購入を回避する」のがおすすめです。
予想に自信がないレースは、どうしても的中率や回収率が下がってしまうので、馬券を買わずに他のレースに資金を回しましょう。
馬券を買わないと判断した場合でも、自分の予想が合っていたのかどうかを確認するために、レースを見ておきましょう。
判断が難しいレースの経験を無料で積む事が出来るので、同じようなレースに遭遇した時に活用する事が出来るようになります。
まとめ
競馬用語の「かかる」は、騎手と競走馬の相性が悪い、騎手の言う事を聞いていない状態の事を指します。
レース中にかかってしまうと、スタミナを大幅に消費する等、数多くの悪影響が生じます。
レース前のパドックや返し馬をしっかりと見て、かかる気配の有無を判断出来るようになりましょう。