福岡競艇場は、天神から徒歩で行く事が出来る距離にある立地の良いレース場です。

全国屈指の難水面と呼ばれていて、インコース勝率があまり高くないといった特徴があります。

調べてみると福岡競艇場のインが弱くなっているのには、様々な理由がある事が分かりました。

今回は、福岡競艇場の特徴と予想をする時のポイントを出来るだけ分かりやすくまとめました。

福岡特有のうねりが発生

福岡競艇場の特徴として「福岡にしかないうねり」が挙げられます。

レース場の1マーク部分が那珂川に、はみ出しています。

満潮時は、川下の博多湾から海水がレース場に向かって上がってきて、川の流れとぶつかります。

その結果、1マーク周辺にうねりが発生します。

他のレース場のうねりと性質が少し異なっていて、慣れていないとターンが流れたり失速してしまいます。

レースを見ている側だけではなく、競走水面を走っている選手自身もうねりの有無や強弱の判断が難しく、うねりが原因で思ったように走れなくなるようです。

インが弱いというイメージを持っている人が多い福岡ですが、うねりが発生すると「まくりが決まりにくくなる」と覚えておきましょう。

満潮時は、厄介なうねりが発生しますが、干潮時はうねりのない比較的穏やかな水面となります。

うねりや潮の流れを気にする必要がなくなる事から、全速旋回でのまくりが決めやすくなります。

他のレース場のうねりを得意としている選手が福岡で好成績を残せない事も多く、地元福岡勢には多少のアドバンテージがあると考えて良いでしょう。

1マーク周辺が狭く攻めにくいコースレイアウト

那珂川の川面に半分近くはみ出している事が注目されがちですが、それ以外にも様々な特徴があります。

その1つが「1マークの振り」です。

スタートライン上のコース幅は「63.75m」と広めですが、1マークのスタンド側のコース幅は「50m」まで狭くなっています。

インコースの艇は、スタートから1マークまで右に斜行しながら進む事になるので、センター・アウトコースよりも若干距離が長くなっています。

スタートタイミングが少しでも遅れると外側のコースにまくられてしまいます。

また、2マーク付近が狭く、助走距離が確保しにくいといった特徴もあります。

前付け等で、進入が動くと十分な加速が付けられなくなり、スタート直後にしっかりと加速したダッシュスタートに直まくりされてしまいます。

しかし、アウトコースが有利かと言うとそうでもありません。

アウトコースも他のレース場より助走距離が短くなっています。

慣れていないと全速でのスタートを切れません。

さらに、1マーク付近が狭いので内側4艇がターンマークに殺到すると、大外からのまくりしか選択肢がなくなります。

しかし、福岡特有のうねりが発生しているとまくりが決まりにくいので、何も出来ずに後方を走る事になってしまいます。

インに不利なコースレイアウトになっていると思われがちな福岡競艇場ですが、アウトコースにとっても攻めにくくなっていました。

博多湾から吹く左横風が多い

福岡の特徴の1つとして「左横風が多い」といった点も有名です。

「向かい風・追い風」がメインで吹くレース場が多くありますが、福岡では1年を通して「向かい風20%・追い風5%」程度となっています。

一方、レース場北側の博多湾から吹く左横風は、全体の「約60%」とかなり高い割合で吹いています。

左横風が吹いているレースでは、2~6コースは基本的に差し・まくりが主体となります。

しかし、満潮時のうねりが発生している時のみ、まくりが減り差しが多くなる傾向があります。

風向きと一緒に潮の干満も確認しておいた方がレース展開を予想しやすくなります。

一方、向かい風が吹くレースは、ダッシュスタートとなる4・5コースのまくりによる1着が増加します。

追い風は滅多に吹く事がないので参考程度になりますが、2・3コースのまくりが多少増加傾向にあるようです。

2・3コースまくりと3・5コース差しの出現率が高め

福岡の決まり手は、「2・3コースまくり」と「3・5コース差し」が多くなっています。

逃げの出現率は、「51.4%」と全国平均「53.1%」と比べると若干低く、全国順位は14位です。

一方、まくりは出現率が「18.6%」と全国平均「14.3%」を大きく上回る結果でした。

まくりに関しては、全コースの出現率が高いというわけではなく、2・3・6コースが全国トップクラスで推移しています。

一方、4・5コースのまくり出現率は、全国平均より低くなっています。

また、先程解説した通り、福岡特有のうねりが発生した時は、まくりが決まりにくくなります。

まくり出現率が高いからと言って、無条件でまくりを信用するのは危険です。

福岡の決まり手出現率で注目したいのが「3・5コース差し」です。

出現率自体は、全国平均に及びませんが、福岡での割合で見ると高くなっています。

特に、横風が吹いているレースの決まり手になりやすいので、覚えておいて損はないでしょう。

コース別1着率では3コースに注目

2020年のコース別1着率と全国順位は以下となります。

  • 1コース 55.8% 14位
  • 2コース 15.2% 8位
  • 3コース 16.6% 1位
  • 4コース 9.0% 21位
  • 5コース 3.8% 23位
  • 6コース 1.1% 22位

弱いと言われていた福岡の1コースですが、2020年だけで見るとほぼほぼ平均となっていました。

コースレイアウトやうねりの発生で展開待ちとなる4~6コースは、予想通り全国下位です。

コース別1着率で注目なのは、2・3コースです。

特に、3コースの1着率が全国1位とかなりの好成績を残しています。

福岡の3コースは、状況に合わせた戦術を選べるといった特徴がある事で他のコースよりも有利となっています。

また、他のレース場では4~6コースのダッシュスタートのカド受けとなりますが、助走距離が短い福岡ではそこまでプレッ

シャーがかからないと言われています。

風速が5mを超えると風向きに関係なく1着率が上がるので、強風時の3コースは必ずチェックしましょう。

福岡の企画レースは8Rの進入固定戦のみ

福岡で行われている企画レースは、8Rの「進入固定戦」のみです。

1日1レースと他のレース場と比べると企画レースの数が少ない事も、福岡のインコース勝率が低い原因の1つとなっています。

企画レースのほとんどで1号艇にA級選手が配置されている事から、1号艇の1着率はかなり高くなっています。

インが弱いというイメージに引っ張られる人が多く、イン逃げの3連単でも10倍を超える美味しい配当が多いといった特徴があります。

福岡の予想は1・3コース軸が基本

インコースが弱いと言われている福岡ですが、それでも1コース1着率が55.8%あるので基本は1号艇が本命となります。

しかし、過度にインコースを信用する事が出来ないのも福岡の特徴の1つです。

福岡の1コースが信頼出来るのは「満潮時」+「左横風」の条件が揃った時のみです。

満潮時は、福岡特有のうねりが発生するので、最も驚異となる3コースのまくりが決まりにくくなります。

1マークの旋回の際に、まくりを気にせず差し・まくり差しのブロックに集中出来るので1コースの方が有利となるので、イン信頼度が上昇します。

一方、インが信頼出来ない向かい風・追い風が吹いているレースや干潮時は、1コースよりも3コースを軸にした方が良いかもしれません。

特に、風速が5mを超える強風になると1着率が高くなる3コースは、狙い目です。

福岡では、1コースだけ狙う!3コースだけ狙う!といった極端な買い方をするよりも

「まくりが決まらない時の1コース・まくりが決まる時の3コース」

等、状況に合わせて軸を変えていった方が的中率・回収率が安定しそうです。

軸が1号艇の時は、2・3コースが2着候補

イン逃げで1号艇を1着にした場合、2着になる可能性が高いのが「2・3コース」です。

福岡の2・3コースの2着3着率は、全国上位となっているので舟券から外す事が難しくなっています。

一方、アウトコースの4~6号艇は2着に絡む確率が低いので、A級選手が配置されている・エースモーターを持っている等の特別な理由がない限りは、2着候補から外せます。

3着は、全通り購入した方が安心ですが、福岡のイン逃げ時の3着は6コースが舟券に絡む確率がかなり低くなっています。

枠なり進入となるレースは、6コースの3着も切って問題なさそうです。

イン逃げで気を付けなければいけないのが「トリガミ」です。

インが弱いと勘違いされている事でイン逃げの払戻オッズは、他のレース場より若干高くなる傾向があります。

しかし、近年は福岡のインコース成績が上昇している事に気付いている人が増えています。

その結果、イン逃げ時の払戻オッズが10倍を切る事も珍しくなくなってきています。

イン逃げ舟券を買う時は、払戻オッズを確認してトリガミにならないようにしましょう。

まくられても2着3着に残りやすい1号艇

一般的に、1号艇はまくられると着外になります。

しかし、福岡の1号艇はまくられても2着3着に残りやすいといった特徴があります。

実際に、数年間の1コースの2着3着率を調べてみると全国平均と同等か少し高くなっています。

まくられ想定でも、安易に1号艇を舟券から外さないようにした方が無難でしょう。

レースの決まり手がまくりになると予想した際は、「1着にまくる艇、2着に1号艇+1着の1つ外側の艇」といった買い方が基本となります。

まくり時の3着は混戦になりやすいので、イン逃げとは逆に全通り購入した方が安心です。

不利なアウトコースはモーター機力と選手の腕で買う

福岡でインコースより不利となるアウトコースの5・6コースを1着に選ぶ時は、外れる前提で買った方が精神的ダメージが少ないでしょう。

どちらのコースも、超抜・エース級のモーターでしっかりと整備が出来ている、さらにスタートタイミングが他の選手よりも早い事が最低条件です。

展開待ちとなるアウトコースが1着を獲るには、スタート直後に内側の艇より伸びて直まくりぐらいしか考えられません。

5・6コースの1着出現率は、かなり低いので出来れば1着は1~3コースから選ぶようにしましょう。

福岡と好相性のおすすめ選手は「白井英治選手」と「吉川元浩選手」

福岡競艇場と最も相性が良いのが、山口支部所属「白井英治選手」です。

福岡での勝率が「8.98」と9点台に届きそうな好成績を叩き出しています。

1コース成績が高いだけではなく、福岡で勝つために必要となる3コースのまくりや2コース差しを得意としている選手です。

内側コースなら、どこからでも1着を狙えるといった点が白井選手の魅力です。

福岡競艇場と好相性と聞くと、兵庫支部所属「吉川元浩選手」を思い浮かべる人も多いと思います。

吉川選手は、福岡グランプリでのSG初優勝を皮切りに、福岡周年やオールスターといったグレードの高い大会を優勝しています。

吉川選手自身も相性の良さから「福岡に引っ越そうかな」と冗談を言った事もあります。

まとめ

以上が福岡競艇場の特徴と予想の時のポイントです。

那珂川にせり出すような特殊な競走水面で、満潮時にはうねりが発生します。

インが弱いというイメージがある福岡でしたが、実はインコースよりアウトコースの方が弱いといった特徴もありました。

今回紹介した特徴を把握して、予想に反映させる事で福岡の的中率・回収率が上がる人も多いと思います。

福岡であまり勝てない、予想の仕方が分からないという人は、今回の記事を参考にしてみてください。