約1600人いるボートレーサーには「ランク(階級)」が存在します。

競艇を始めたばかりの人からすると各ランクの細かな違いは分かりにくいですよね。

今回は、競艇選手のランクの基本情報やランクを上げるために必要な事を簡単にまとめてみました。

競艇選手のランクは4つ

約1600人いる競艇選手は、4つランクに分けられています。

「A1>A2>B1>B2」と成績の良さでランクが決まります。

このランクは毎年1月と7月の半年に1回更新されています。

A1級は全選手の上位20%しかなれない最上位ランク

4つあるランクの中で最上位となる「A1級」は、全選手の上位20%しかなる事が出来ません。

A1級の選手はトップレーサーとして全国の様々なレース場から出場依頼が来ます。

気になるA1級になるための条件として

  • →2連対率30%以上、3連対率40%以上の勝率上位者
  • →事故率が0.70以下
  • →最低出走回数90回以上

といった点が挙げられます。

連対率の条件を満たしていても勝率が選手全体の20%以内に入っていないとA1級になる事が出来ません。

また、期間内のフライング回数が多くなると「最低出走回数90回」を超える事が難しくなるのでフライングをしないスタートの正確さも必要となります。

さらにA1急になるための勝率ボーダーは「6.20前後」になる事が多く、これは平均順位が最低でも「3着以上」でないと達成出来ない数値となっています。

※勝率は「1着10点・2着8点・3着6点・4着4点・5着2点・6着1点」の着順点の合計を出走回数で割った数値となります。(G1・SGや優勝戦では着順点はさらに加点されます)

A2級はA1級を除く上位20%の選手がなれるランク

A2級も狭き門となっています。

条件は

  • 2連対率30%以上、3連対率40%以上でA1級を除く勝率上位20%
  • 事故率が0.70以下
  • 最低出走回数70回以上

となっています。

A1級と比べると最低出走回数が若干少ない程度の条件です。

A1級の選手がいないのでハードルは低く見えますが、A1級を除いた選手の中で勝率20%に入る必要があります。

B級の選手がよく目標にかかげる「A級になる」はA2級を指している場合が多い事を考えると容易ではない事が分かりますよね。

選手全体の50%となるB1級

選手全体の50%がB1級になります。A1級・A2級と比べると条件は少なくなっています。

  • 勝率2.00以上でA1級とA2級を除く勝率上位者
  • 事故率0.70以下
  • 最低出走回数50回以上

条件が連対率から勝率に変わっている事や最低出走回数が50回とA1級の半分程度となっている事が特徴として挙げられます。

B2級はA級とB1級以外の選手

最もランクの低いB2級は「A級とB1級以外」の選手が該当します。

前期の成績がないデビューしたばかりの新人や長期休養から復帰した選手となります。

ランクが違いは腕の差と出場出来るレースの種類

競艇選手のランクによる違いとして「腕(技術力)の差」が挙げられます。

成績上位者しかなる事が出来ないA1級・A2級とB級選手は実力が大きく異なります。

A級選手の多くは
「1号艇では70%以上で3着以内に入っている」
「1号艇以外でも好成績を残している」
といった共通点があります。

A級になるためには半年間好成績を維持し続ける事が求められているので当たり前ですよね。

A級選手とB級選手が同じ条件で走った際には高い確率でA級選手に軍配が上がります。

A級選手とB級選手が走る一般戦では1号艇のB級選手より外側のA級選手の方が人気となる事も珍しくありません。

また、A1級とA2級の選手間にも腕の差が生じます。トップレーサーとして長期間A1級を維持している選手とA1級・A2級やA2級・B1級を行き来している選手は勝率が大きく異なります。

A1級の中のトップレーサーはA1級ボーダー「6.20前後」を大きく上回る勝率を維持しています。
トップレーサーは、1マークを旋回した後でもランクの低い選手であれば高い旋回力で抜き去る事が可能です。

A1級選手は、スタート力・旋回力・状況判断能力といったレースで勝つために必要な技術を全て兼ね備えています。

賞金の高いレースはA1級しか出場出来ない

「出場可能なレース」もランクによって異なってきます。

優勝賞金だけではなく、予選のレースでも高い賞金が得られる「SG・G1」といったグレードの高い大会は基本的にA1級選手しか出場する事が出来ません。※PG1は除く

また、ランクによって月間に出場出来る日数も設定されています。

A1級とA2級が最も多く月間15日前後はレースに出場する事が出来ます。

しかし、B1級になると月間12日前後、B2級は8日前後と1ヶ月の半分以下しかレースに出場出来なくなります。

競艇選手は、レースの賞金や出走時に貰える手当が収入となるので出来るだけたくさん稼ぐにはA級に上がる必要が出てきます。

月間出走数に上限がある事やグレードの高いレースへの出走回数が異なる事からランクによって平均年収も大きく変わってきます。

  • A1級平均3000万円
  • A2級平均2000万円
  • B1級平均1000万円
  • B2級平均500万円

と言われています。

「B1級でもかなり稼いでいるじゃないか!」と感じるかもしれませんが、他支部への練習参加の交通費・宿泊費やレースで必要になる衣類・防具は実費なので支出も多くなっています。

ランクを上げるには事故をせずに勝率を上げる必要がある

選手が自分のランクを上げるには「勝率を上げる」事が必須となります。

特にB1級とA2級の壁は分厚くB1級からA2級に上がるにはかなり努力が必要だと言われています。

A2級になるためのボーダーは「5.30前後」と言われているので平均で「3.5着」を維持する必要があります。

勝率を上げるには、スタートをキッチリと決めて、1マークの展開に合わせた適切な行動を取る事が必要です。

さらに、1マークをターンした後に後続艇に抜かれない高い旋回力も身に着けなければいけません。

競艇選手は、毎日たっぷりと練習する事が出来ないのでバランス感覚を磨くために体幹トレーニングを取り入れたり思い通りに艇を操作するために筋力トレーニングをしたりとボート外での訓練を重視している選手も多くいます。

ランクの審査は半年区切り

選手のランクは「5月1日~10月31日を前期」「11月1日~4月30日を後期」を審査期間としています。

審査結果は前期を「1月1日~6月30日」後期を「7月1日~12月31日」の選手ランクとしています。

例えば、2月10日の出走表に記載されている各選手のランクは「前年の5月1日~10月31日のレース結果」を反映したランクだという事になります。

A1級でもいきなりB2級まで落ちる事もある

A1級でトップレーサーとして活躍していた選手でも事故点が0.70を超えたり、最低出走回数が足りなくなるとB1級やB2級までランクが落ちてしまいます。

実際に、期間内に3回フライングをしてしまった事で約半年間レースに出場する事が出来なくなり復帰した時のランクがB2級になってしまった選手もいます。

まとめ

競艇選手には4つのランクが存在します。

高いランクになると、大きな大会に出られるようになったり出走回数が増えたりと様々な恩恵が得られる事から全ての選手はA1級になる事を目指しています。

審査期間の終わり頃にはランクを上げるために勝負駆けをする選手も増えます。

舟券を購入する時には、審査期間や選手の現在の勝率も確認するとさらにレースを楽しめるようになるのでオススメです。