公営ギャンブルの中でも特にユーザー数が多いと言われているのが「競馬」です。
競馬には様々な格言や定説と呼ばれるものが存在しています。
その1つが「雨の日は内枠が有利」です。
競馬歴が長い人であれば何度も聞いた事があったり、自分で体験した事があるのではないでしょうか?
そこで今回は、競馬の雨の日は内枠が本当に有利なのか調べてみました。
雨による枠番の有利不利はコースによって真逆になる
雨が降れば内枠が有利になると言われている競馬ですが、「半分正解で、半分間違い」というのが結論になります。
確かに雨が降れば内枠が有利になります。
しかし、それは「芝コース限定」です。
ダートコースの雨の日の枠番成績を確認してみると、芝コースとは真逆に外枠の方が有利だという事実がデータとして残っていました。
雨が降っているからといって、無条件で内枠を信用するのはNGです。
まずは、芝コース・ダートコースなのかを確認する事から始めましょう。
芝コースはいつもよりもスタミナ消費が激しくなる
雨が降ると芝コースは、地面が水分を含み緩くなります。
そうなると踏ん張りがききにくくなり、スピードを出すためには普段よりも多くのスタミナを必要とします。
そのスタミナ消費が枠番の有利不利を生み出すと言われています。
内枠は無駄のないコース取りが出来るから有利
雨が降っているレースは、普段よりもスタミナ消費が激しくなっています。
いつも通りのコース取りで走ってしまうと、最終直線でスタミナが足りなくなってしまいます。
なので、雨のレースは「どれだけコースロス(無駄なく走る)を減らすか」といった大切となります。
競馬は、人間の陸上競技とは違い、横一列でスタートします。
内枠はゴールまでの最短距離を走りやすく、逆に外枠はゴールまでの距離が長くなります。
競馬のコースの内側と外側ではゴールまでの距離が大きく異なるので、外枠の馬は少し無理をしてでもコースの内側に入ろうとします。
そんな時に雨で地面が緩んでいれば、さらに体力を削られてしまう事になります。
その結果、コース内側に入れたとしても必要以上にスタートを消費した事でラストスパートが出来ずに終わってしまいます。
一方、内枠はスタートで極端に出遅れない限りスルッとコースの内側を確保する事が出来ます。
特に逃げ馬・先行馬は、スタート直後に集団の前に行く事になるのでコースロスが少なくなっています。
無駄なスタミナを消費する事なく有利なコースを走れるといった点で考えると雨の日の芝コースの内枠は有利だと言えるでしょう。
雨が降っても1番人気の勝率はほとんど変わらない
雨が降れば内枠が有利になるからといって、レースが大きく荒れるかと言えばそうではありません。
実は、雨が降っても「1番人気の勝率はほとんど変わらない」といった特徴があります。
芝コースでの馬場状態別の勝率を確認してみると、寧ろ馬場状態が稍重や重になると1番人気の勝率は若干上がっています。
回収率で見ると、その特徴はさらに顕著となります。
芝コースのレースで雨が降った・降っているからといって1番人気が飛ぶ、大荒れをするといった考えは捨てておきましょう。
どちらかというと、2着3着のヒモ荒れの方が荒れやすい傾向があります。
ダートコースは「泥」が原因で外枠が有利になる
雨が降ると内枠が有利になるのは、芝コースだけです。
ダートコースは、逆に内枠の成績は悪くなっていきます。
その理由は「泥」だと言われています。
雨が降ると内枠は前の馬の泥が飛んでくる
競走馬だけではなく、馬は基本的に綺麗好きな性格をしています。
顔や体が泥で汚れる事を極端に嫌う馬も珍しくありません。
雨が降っている・降った後のダートコースは、砂が水分を含み泥となっています。
その状態のダートコースを走ると「泥ハネ」が起きます。
前の馬が蹴り上げた泥が顔や体に当たると、馬のモチベーションが下がります。
ダートコースでも、レースを有利に運ぶ事の出来るコースの内側に各馬が殺到します。
しかし、走る馬が多くなるという事はそれだけ泥が飛んでくる頻度が多くなるという事になります。
ですが、内枠の馬はわざわざ不利なコースの外枠へ行く事を嫌います。
その結果、内枠の馬は泥で体が汚れて馬のやる気がなくなる、泥を回避するために無駄に左右に動いた事でスタミナ切れを起こしてゴール直前で失速してしまいます。
一方、外枠の馬は泥ハネを警戒して内枠へ行く事をやめます。
逃げ・先行・差し・追いと脚質に関係なく、前を走る馬が少ない外側のコースを確保する事が出来ます。
その結果、道中で泥によるやる気が下がる事もなく、無駄な動きでスタミナを消費する事もなくなります。
そして、ゴール前の最終直線ではしっかりとラストスパートをかけられるようになります。
上記の理由から、ダートコースは雨が降ると内枠ではなく、外枠が有利になっています。
ダートコースも1番人気の勝率に差は出ない
ダートコースも芝コースと同様に雨が降っても1番人気の勝率に大きな差が出る事はありません。
芝コースと比べると勝率がアップするという事はありませんが、勝率はほぼ横ばいとなっています。
ダートコースでも雨が降ったからという理由で1番人気を外す事がないようにしましょう。
枠番だけではなく雨に強い血統とジョッキーも確認する
雨が降れば、普段のレースとは違う枠番の有利不利が生じます。
予想に反映させる事で馬券の的中率や回収率をアップさせる事が出来ます。
しかし、枠番だけではなく「血統」と「ジョッキー」にも注目する事をおすすめします。
数多くある競走馬の血統の中には、雨を得意とする血統が存在します。
雨が降っている・馬場状態が悪いレースでは、そのような雨に強い血統を持つ馬を軸馬や相手馬に選ぶのも攻略法の1つとなっています。
芝コース・ダートコースを問わず、パワーのある馬が多い「キングカメハメハ産駒」は雨に強いと言われています。
それ以外では、「ダイワメジャー産駒」や「ネオユニヴァース産駒」にも注目です。
一方、万能タイプだと言われているディープインパクト産駒は雨が降ると少し成績が下がる傾向にあります。
雨のレースで軸馬・相手馬選びに迷った時は、雨に強い血統に注目してみてください。
雨を得意とするジョッキーで回収率アップ
雨が降ったレースの成績が普段よりも高いというジョッキーも少なからず存在します。
競馬ファンの中で最も雨に強いというイメージを持たれているのは「福永祐一騎手」です。
雨が降っている・馬場状態が悪いレースでの単勝回収率が「120%」を超えているという驚きの好成績を残しています。
もちろん、枠番・血統・脚質が予想で大切になるのは変わりません。
しかし、雨が降っているレースでは馬に関係なく福永騎手を馬券に絡めておくと思わぬ美味しい馬券をゲット出来るかもしれません。
また、道悪の経験が豊富なジョッキーも雨が得意だと言われています。
その代表的なジョッキーが「岩田康誠騎手」と「内田博幸騎手」の2人です。
中央競馬よりも馬場状態が悪いと言われている上記2人のジョッキーは、多少の雨や馬場状態の悪さなら物ともしません。
福永騎手と同様に出走表で岩田騎手と内田騎手がいないかチェックするようにしましょう。
まとめ
競馬の雨が降ると内枠が有利だという噂は半分正解で半分間違いでした。
正確に伝えると、芝コースのみ雨が降ると内枠が有利だという事になります。
もちろん、雨による有利な枠番に入ったからといって、全ての馬が好成績を残せるわけではありません。
しかし、データとして残っているので雨が降っている時は、ぜひ今回の記事を参考にしたレース予想をしてみてください。