兵庫県にある尼崎競艇場は、「センタープール」という愛称で競艇ファンから親しまれています。
センタープールの名前の通り、センター勢が強いレース場というイメージを持っている人が多くいます。
しかし、調べてみると現在は、センター勢よりもインが強いといった特徴がありました。
今回は、尼崎競艇場の特徴と予想をする時のポイントを分かりやすくまとめてみました。
センター有利はもう古い!全国屈指のイン有利のレース場
尼崎競艇場は、センタープールの名前通り、一昔前まではセンター勢が強いといった特徴がありました。
しかし、近年は愛称とは裏腹に、インコース勝率・1着率が全国トップクラスとなっています。
センタープールという愛称や昔の認識のまま舟券を購入すると、確実に痛い目に遭うので注意しましょう。
淡水のプール型レース場
尼崎競艇場は、淡水のプール型レース場で近くに海や川はありません。
淡水なので水質が硬くなっていますが、他の淡水レース場と比較すると若干乗りやすいと言われています。
尼崎の競走水面の特徴として「ターンマークの振りがない」といった点が挙げられます。
尼崎以外のレース場では、1マークはセンターポールよりスタンド側に設置されていてインコースを走る選手はスタート後に斜行しながら1マークを目指す事になります。
しかし、尼崎は、1・2マークとセンターポールが直線上に並んでいるので、インコースの艇は斜行する事なく1マークまで真っ直ぐに向かえます。
その結果、インコースは他のレース場よりも余裕を持って1マークを旋回する事が出来ます。
ターンマークの振りがないのは、全24場で尼崎にしかない特徴です。
また、ターンマークの振りがない事で1マークのホームスタンド側の広さが24場で最も広くなっています。
1マークホームスタンド側が広い事により、旋回時に艇間が極端に狭くなる事がないので、差し・まくりが決まりやすいといった特徴もあります。
向かい風が多く、風速5mを超える強風も珍しくない
風の特徴として、1年を通して向かい風が多い傾向があります。
レースの50%以上が向かい風で、風速5mを超える強風が吹く事も珍しくありません。
基本的には、甲子園の浜風と六甲おろしの向かい風が吹いています。
しかし、低気圧が近づいた時や天候が悪くなった時は、追い風が吹きます。
一般的には、無風から風速2mぐらいまでの穏やかな風の時がイン有利と言われています。
しかし、尼崎は向かい風・追い風共に風速2~4mの時の方がイン信頼度が上がります。
- 向かい風が強くなると3・4コースのまくり・まくり差し
- 追い風が強くなると2コースの差し
が有利になります。
2マークでの逆転が多い
スタートラインに対して向かい風が吹く事が多い尼崎は、2マークで着順が逆転する事が意外と多くあります。
スタート時は、向かい風だった風が2マークを旋回する時には、追い風になりターンが流れやすくなる事が理由となっています。
周回展示の際に流れる2マークのターンで、他の艇よりターンが流れている(膨らんでいる)艇は、2マークで後ろの艇に抜かれる可能性があります。
決まり手は逃げがダントツで多く、次点でまくり差し
決まり手の出現率の特徴として「逃げ」がダントツで多くなっています。
尼崎の逃げ出現率は「57.3%」で全国平均「53.1%」よりも高くなっています。
次点が「まくり差し」です。
まくり差しの出現率は「11.3%」で全国平均「11.0%」より若干高い程度です。
それ以外の決まり手は、全て全国平均を下回っているので、尼崎は逃げとまくり差しが展開予想の基本となります。
コース別1着率でも1コースがダントツ、注目は5コースのバランスの良さ
2020年の各レース場コース別1着率ランキングを見ると、尼崎は1コース1着率が全国7位と高い数値を叩き出していました。
しかし、2・3・4・6コースの1着率は、全て全国平均を下回っています。
コース別1着率で注目したいのが「5コース」です。
1コースのように全国上位ではありませんが、1着2着率が全国平均または全国平均より若干高いといったバランスの良い成績を残しています。
5コースは、まくり差しの出現率が他のコースよりも高くなっているので、好モーターや5コースを得意としている選手が乗っている場合は狙い目となります。
また、コース別3着率のランキングを見ると、1コースは3着率が全国下位、3コースは逆に3着率が全国上位という特徴も覚えておくと良いでしょう。
尼崎の企画番組は前半に2レース
尼崎では、一般戦で企画(シード)番組を組んでいます。
- 1R 朝からセンプル→3・4号艇のセンター勢のどちらかにA級選手
- 5R 昼どきピンクル→1号艇にA級選手+3・4号艇のセンター勢のどちらかにAの級選手
1号艇にA級選手を配置する企画番組を行うレース場が多い中、尼崎の1Rではセンター勢のみにA級選手が配置されています。
愛称のセンタープールを意識した番組で、センター勢のA級選手が内側の艇に勝てるかどうかを予想して楽しむといった内容になっています。
一方、5Rは1号艇とセンター勢のA級選手の対決に注目です。
最も有利な1号艇があっさりと逃げを決めるのか、センターコースがまくり・まくり差しで1号艇を沈めるのかに注目すると良いでしょう。
尼崎の予想はイン有利を活かした1号艇を軸にする
尼崎でのレース予想の際は、イン有利を活かした1号艇軸が基本となります。
1号艇を軸にする時は風向きに関係なく風速2m前後の風が吹いているレースが無難です。
また、淡水で水質が硬い事から、選手コメントの比較も重要で、「乗りにくい」とマイナスな発言をしている選手は信頼度が下がります。
1コース1着率の高い走り慣れた地元選手が1号艇だと安心感が増します。
1コース1着率が全国平均よりも高い尼崎ですが、誰でも1着を獲れるというわけではありません。
1マーク周辺が広い事から、1周目1マークの旋回時にセンター勢やアウト勢が奇襲をかけて来る事が多いからです。
尼崎の1号艇で勝つには、外から攻撃をブロック出来る対応力の高さも必要となります。
1号艇の選手のまくられ・まくり差され率が高い時は、他の艇を軸にする事も検討した方が良さそうです。
2着率は2・3コースが若干有利
1号艇が逃げた時の2着率は、2・3コースが若干高くなっています。
3コースよりも2コースの2着率の方が数%高いのが一般的ですが、尼崎では2・3コースの2着率はほぼ同じ数値です。
2着を2・3コースのどちらかに絞りたい場合は、セオリー通り向かい風の時は3コースまくり、追い風の時は2コース差しで良いでしょう。
また、1号艇が逃げた場合の3着の出現率は、コースの内側から高くなっています。
出来るだけ購入点数を減らしたい、3着を絞りたいという場合は、外側の艇から順に切っていく事になります。
1号艇を軸に出来ない時は2コース差しと3・4コースまくり差し
1コース成績が悪い選手だったり、極端にモーターが出ていなかったりと様々な理由から1号艇を軸に出来ないレースも多々あります。
そのような場合は、最初に2コース差しと3・4コースのまくり差しによる1着を想定します。
1号艇以外で最も有利となるのが2コースですが、基本的には差し構えとなる事を忘れないようにしましょう。
2コースの選手が差しを苦手としている場合は、2コースを軸にする事が出来なくなります。
また、3・4コースのまくり差しにも警戒が必要です。
風速5m以下は3コースが有利、風速が5m以上になると4コースが有利といった使い分けが出来ます。
しかし、尼崎の4コースは人気・実力よりも売れてしまう事が多いのでオッズに騙されないように気を付けてください。
最後にアウト勢の5・6コースですが、どちらも展開が向かないと1着は難しくなっています。
前述した通り、5コースは1着2着率が全国平均を上回っていますが、それでもあまり期待は出来ません。
A級選手が超抜・エースモーターを持っている時に抑えとして購入する程度となります。
尼崎公式ホームページの出走表は情報量が多い
ボートレース公式ホームページとは別に、尼崎競艇場の公式ホームページでも出走表が用意されています。
尼崎の出走表は、情報量がかなり多いので活用する事をおすすめします。
特に、便利なのがオリジナル展示データです。
一般的な展示タイムに加えて、一周タイムと回り足タイムが発表されています。
各タイムの上位に色付けがされているので、ひと目でモーターの良し悪しを判断する事が可能です。
それ以外にも、節間の選手コメントの遡りやモーターの過去使用者といったあると便利な情報を用意しています。
尼崎で予想をする・舟券を買う時には、欠かす事が出来ない情報を多々得られます。
尼崎で好成績を残しているおすすめ選手は「深川真二選手」と「宇野弥生選手」
尼崎勝率でトップに輝いているのが、佐賀支部所属「深川真二選手」です。
尼崎での勝率が「8.90」と9点台に近い驚異的な成績を残しています。
前付けをする事で有名な深川選手ですが、尼崎での特徴として2コースの差しの成功率の高さが挙げられます。
4~6号艇に配置されるレースでも積極的に前付けをして内側の艇を狙ってくるので、いつでも1着に期待する事が出来ます。
また、前付けをブロックされて2コースまで進入出来なかった場合に多い3コースとの相性も悪くありません。
3コースからは、差し・まくり・まくり差しと全ての決まり手をバランス良く駆使しています。
もう1人のおすすめ選手が愛知支部所属「宇野弥生選手」です。
尼崎での勝率は「8.38」で尼崎勝率ランキングの第7位にランクインしています。
女子選手の中でも最も高く、地元兵庫の女子エース中谷朋子選手よりも好成績を残しています。
宇野選手は、スタートが早い選手として知られていて、センターコースから一気に内側の艇をまくって1着になる事も珍しくありません。
宇野選手が好モーターでセンター枠に配置されているレースは、要注目です。
まとめ
センタープールの愛称で親しまれている尼崎競艇場ですが、近年はインが強いレース場となっています。
尼崎競艇場の代表的な特徴として、ターンマークに振りがない事と無風より緩やかな風が吹いた方がイン信頼度が上がるといった点がありました。
把握しているだけで、予想に役立つ特徴も多かったので、尼崎で勝てていないという人は今回の記事を参考にしたレース予想に挑戦してみてください。